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date Tue, 26 Feb 2008 18:04:44 +0900
parents ebf59c5eafce
children 6e7e571d96e2
files Makefile final-thesis.pdf final-thesis.tex graduate_paper.sty resume2.pdf resume2.tex
diffstat 6 files changed, 224 insertions(+), 27 deletions(-) [+]
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line diff
--- a/Makefile	Fri Feb 22 14:03:16 2008 +0900
+++ b/Makefile	Tue Feb 26 18:04:44 2008 +0900
@@ -1,25 +1,41 @@
-TARGET1 = final-thesis
+DVIPDF = dvipdfmx
+LATEX  = platex
+PS2PDF = ps2pdf14
+DVIPS  = /usr/local/ptetex/bin/pdvips
 
-TARGETS = $(TARGET1).pdf
-SOURCES = $(TARGET1).tex
+TARGET1 = final-thesis
+TARGET2 = resume
+TARGET3 = resume2
+SLIDE1 = slide
+
+PDFs = $(TARGET1).pdf $(TARGET2).pdf $(TARGET3).pdf $(SLIDE1).pdf
+DVIs = $(TARGET1).dvi $(TARGET2).dvi $(TARGET3).dvi $(SLIDE1).dvi
+TEXs = $(TARGET1).tex $(TARGET2).tex $(TARGET3).tex $(SLIDE1).tex
 
 .SUFFIXES: .tex .dvi .pdf
 
-all: $(TARGETS)
+all: $(PDFs)
 
 .dvi.pdf:
 	dvipdfmx $^
 .tex.dvi:
 	platex $^
 
+$(SLIDE1).pdf: $(SLIDE1).ps
+	$(PS2PDF) $^
 
-twice: distclean $(TARGET1).dvi 
-	rm -f $(TARGET1).dvi
-	make all
+$(SLIDE1).ps: $(SLIDE1).dvi
+	$(DVIPS) $^
 
 clean:
 	rm -f *.{aux,log,nav,out,snm}
 
 distclean: clean
-	rm -f $(TARGETS) *.{dvi}
+	rm -f $(DVIs) $(PDFs) *.{dvi}
+
 
+twice: distclean $(DVIs) .rmdvi $(PDFs)
+.rmdvi:
+	rm -f $(DVIs)
+
+
Binary file final-thesis.pdf has changed
--- a/final-thesis.tex	Fri Feb 22 14:03:16 2008 +0900
+++ b/final-thesis.tex	Tue Feb 26 18:04:44 2008 +0900
@@ -1111,12 +1111,13 @@
 その出力されたコードの実行速度を測れば良いだろう。
 
 今回測定に使用したプログラムはこれまでもMicro-Cの測定に使われていた
-テストルーチンで、普通のCのソースをCbCに機械的に変換したものである。
+テストルーチンで、普通のCのソースをCbCに機械的に変換したものである
+\footnote{ソースコードの全体は付録\ref{chp:conv1}に掲載する。}。
 引数に0を入れると変換される前の通常の関数のコード、
 引数に1を入れるとそれが変換されたCbCのコード、
 引数2,3では変換されたコードを手動でMicro-C用に最適化したコードが実行される。
 また、評価はia32アーキテクチャのFedora上で行った。
-実行結果は表\ref{tab:mc,gcc,compare}に示される。
+測定結果は表\ref{tab:mc,gcc,compare}に示される。
 \begin{table}[htpb]
   \centering
   \begin{tabular}{|l|r|r|r|r|} \hline
@@ -1152,8 +1153,8 @@
 fastcallを有効にするにはcode segment定義の際に
 \verb|__code __attribute__ ((fastcall)) test(){|
 として、型と関数名の間に挿入する。
-ここでは上記の-fomit-frame-pointerも有効にした。
-その測定結果が表\ref{tab:mc,gcc,compare}の``GCC (+fastcall)''の行である。 
+ここでは上記の-fomit-frame-pointerも有効にし、測定を行った。
+その結果が表\ref{tab:mc,gcc,compare}の``GCC (+fastcall)''の行である。 
 ここまで最適化を行って、Micro-Cの速度を超えることができた。
 
 この評価から本研究における目的の一つ、``CbCコードの高速化''を
@@ -1162,14 +1163,15 @@
 GCCと互換性のあるCbCの処理系は他にないので、
 code segmentの場合はfastcallを強制させることも今後の課題として考えられる。
 
-ちなみに、表のTCCとは``Tiny C Compiler''のことである。
-このコンパイラの詳細に付いては割愛するが、Cのソースコードを
-アセンブラを介さずに直接オブジェクトファイルに変換することができる。
-本研究の前にTCCにもCbCコンパイル機能の実装を行ったが、
-表の通り満足の行く結果ではなかった
-\footnote{しかしこれは実装手段が悪かったと思われる。
+ちなみに、表の最後の行にあるTCCとは``Tiny C Compiler''のことである。
+詳細に付いては割愛するが、このコンパイラはCのソースコードを
+アセンブラを介さずに直接オブジェクトファイルに変換することができ、
+コンパイル時間を大幅に短縮している。
+本研究のGCC実装の前に、TCCにもCbCコンパイル機能の実装を行ったが、
+表の通り満足の行く結果ではなかった。
+\footnote{TCCでは実装手段が悪かったと思われる。
 gotoの際に毎回strcpyするようなこと
-を改良すれば大幅高速化できるだろう。}。
+を改良すれば大幅な高速化が望めるだろう。}。
 
 
 \chapter{今後の課題}\label{chp:problems}
@@ -1235,7 +1237,7 @@
 
 \appendix
 
-\chapter{conv1 プログラム}
+\chapter{conv1 プログラム}\label{chp:conv1}
 以下は第\ref{chp:appraising}章 評価で使用したプログラムconv1である。
 \setlength{\columnsep}{3em}
 \setlength{\columnseprule}{0pt}
@@ -1506,9 +1508,3 @@
 
 \end{document}
 
-
-TCCの評価結果
-conv1 0での評価
-conv1のソースコード全体
-
-
--- a/graduate_paper.sty	Fri Feb 22 14:03:16 2008 +0900
+++ b/graduate_paper.sty	Tue Feb 26 18:04:44 2008 +0900
@@ -20,9 +20,12 @@
 %\jtitle{修士論文スタイルファイル\\自律分散研バージョン}
 %\etitle{\LaTeX  style test file for master paper} 
 %\year{平成11年度}
+%\thesis{卒業論文|修士論文|..}
+%\logo{\includegraphics[width=..]{filename}}
 %\affiliation{琉球大学大学院理工学研究科\\ 情報工学専攻}
-%\thesis{卒業論文|修士論文|..}
 %\author{名字 名前}
+%% or %%
+%\author{0.....A 名字 名前\\指導教官 名字 名前}
 %
 %\begin{document}
 %
Binary file resume2.pdf has changed
--- /dev/null	Thu Jan 01 00:00:00 1970 +0000
+++ b/resume2.tex	Tue Feb 26 18:04:44 2008 +0900
@@ -0,0 +1,182 @@
+\documentclass[twocolumn,twoside,9.5pt]{jarticle}
+\usepackage[dvips]{graphicx}
+\usepackage{picins}
+\usepackage{float}
+
+\usepackage{fancyhdr}
+\pagestyle{fancy}
+\lhead{\parpic{\includegraphics[height=1zw,clip,keepaspectratio]{figures/emblem-bitmap.eps}}琉球大学主催 工学部情報工学科 卒業研究発表会}
+\rhead{}
+\cfoot{}
+
+\setlength{\topmargin}{-1in \addtolength{\topmargin}{15mm}}
+\setlength{\headheight}{0mm}
+\setlength{\headsep}{5mm}
+\setlength{\oddsidemargin}{-1in \addtolength{\oddsidemargin}{11mm}}
+\setlength{\evensidemargin}{-1in \addtolength{\evensidemargin}{21mm}}
+\setlength{\textwidth}{181mm}
+\setlength{\textheight}{261mm}
+\setlength{\footskip}{0mm}
+\pagestyle{empty}
+
+\begin{document}
+\title{Continuation based CコンパイラのGCC-4.2による実装}
+\author{045760E 与儀健人 \hspace{2cm} 指導教員 : 河野真治}
+\date{}
+\maketitle
+\thispagestyle{fancy}
+
+\section{はじめに}
+当研究室ではContinuation based C(以下CbC)という言語を提案している。
+これまでCbCのコンパイルにはMicro-Cをベースとした当研究室独自のコンパイラを
+使用していた。
+
+また、河野氏による以前の論文\cite{kono1}にて、Tail call optimizationを用いることで
+GCC上でも実装可能である事が示されている。
+
+この様な背景から、CbCをGCCでコンパイルしたいという要望がでてきた。
+本研究ではこの言語をGCCへ移植することを目的とする。
+それによりGCCの最適化機構によるCbCのコード性能の向上、
+また複数のアーキテクチャへの対応を目指す。
+
+
+\section{Continuation based Cについて}
+Continuation based C (以下CbC) は当研究室が提案するアセンブラよりも上
+位でC よりも下位な記述言語である\cite{kono2}。
+Cの仕様からループ制御や関数コールを取り除き、
+継続(goto) や code segmentを導入している。
+これによりスタックの操作やループ、関数呼び出しなどのより低レベルでの最適化を、
+ソースコードレベルで行うことができる。
+図\ref{fig:continuation}にこの様子を表す。
+\begin{figure}[H]
+  \begin{center}
+    \includegraphics[width=.45\textwidth]{figures/continuation.eps}
+  \end{center}
+  \caption{code segment間の``継続''}
+  \label{fig:continuation}
+\end{figure}%
+
+
+\section{The GNU Compiler Collection}
+\subsection{GCCの基本構成}
+GCCは主に次のような手順でソースコードをコンパイルする。
+\begin{description}
+  \item[parsing] 一般的なコンパイラと同じく、GCCもまずはパーサによって
+	ソースコードを解析し、解析した結果はGeneric Treeと呼ばれる
+	tree構造の構造体に格納される
+  \item[gimplification] この段階ではGeneric Treeをもとにこれを
+	GIMPLEに変換していく。
+  \item[GIMPLE optimization] 前段階で変換したGIMPLEに対して最適化を行う。
+  \item[RTL generation] ここで、GIMPLEをもとにRTLを生成する。
+	この段階でほぼ言語依存性がなくなる。
+  \item[RTL optimization] 前段階で生成されたRTLに対して最適化を行う。
+  \item[Output assembly]
+    最後にRTLをもとにターゲットマシンのアセンブリに変換する。
+\end{description}
+これらの様子を図\ref{fig:GCC-pass}に示す。
+\begin{figure}[H]
+  \begin{center}
+    \includegraphics[width=.45\textwidth]{figures/GCC-pass.eps}
+  \end{center}
+  \caption{GCCのpass}
+  \label{fig:GCC-pass}
+\end{figure}
+
+\subsection{Tail call elimination}
+GCCの最適化には``Tail call elimination''と呼ばれる、関数呼び出しを
+最適化するものがある。
+``Tail call elimination''は通常call命令を使用すべき
+関数呼び出しで、jump命令に変更するというものである。
+この最適化の概要を図\ref{fig:Tail call}にしめす。
+\begin{figure}[H]
+  \begin{center}
+    \includegraphics[width=.4\textwidth]{figures/GCC-TailCall.eps}
+  \end{center}
+  \caption{Tail call eliminationの例}
+  \label{fig:Tail call}
+\end{figure}
+
+\section{GCCへの実装}
+河野氏の論文``継続を基本とした言語CbCのgcc上の実装''\cite{kono1}
+にて、Tail call optimizationをもちいてCbCのgotoが実装できる事が
+示されている。
+
+実装の流れとしては次のようになる。
+\begin{enumerate}
+  \item \_\_code トークンの追加(Tokenizerで読み込めるようにする)
+  \item code segmentのパース及びtree生成
+  \item CbCのgoto ステートメントのパース及びtree生成
+  \item gotoステートメントtreeのRTLへの変換
+  \item その他エラーメッセージ処理やコード改良
+\end{enumerate}
+
+最も重要なところがRTL生成である。
+ここではtail call可能なフラグのついた関数コールをRTLに変換することになる。
+これは通常は\verb|expand_call|という巨大な関数にて生成されている。
+\verb|expand_call|ではtail callが可能かを詳しくチェックして、可能であれば
+tialcall用のCALL\_INSN RTL. 不可と判定されれば通常のCALL\_INSN RTLを生成している。
+
+しかし、goto先がcode segmentであれば
+強制的にtailcall用のCALL\_INSNを生成する必要がある。
+そこで実装の際には\verb|expand_cbc_goto|という新たな関数を作り、
+CbCのgoto処理はそこで全て行うようにした。
+
+
+
+\section{評価}
+本研究によって、GCCによるCbCのコンパイルが可能になった。
+その評価としては両コンパイラによってコンパイルされたコードの
+実行速度を測れば良いだろう。
+評価にはこれまでもMicro-Cの評価に用いてきたconv1という簡単な
+プログラムを用いた。
+
+測定結果は表\ref{tab:mc,gcc,compare}に示される。
+\begin{table}[H]
+  \centering
+  \begin{tabular}{|l|r|r|r|r|} \hline
+    & conv1 0 & conv1 1 & conv1 2 &  conv1 3 \\ \hline
+    Micro-C         & 5.25 & 8.97 & 2.19 & 2.73 \\ \hline \hline
+    GCC             & 3.69 & 4.87 & 3.08 & 3.65 \\ \hline
+    GCC (+omit)     & 2.74 & 4.20 & 2.25 & 2.76 \\ \hline
+    GCC (+fastcall) & 2.70 & 3.44 & 1.76 & 2.34 \\ \hline \hline
+    TCC             & 4.15 &122.28& 84.91&102.59\\ \hline
+  \end{tabular}
+  \caption{Micro-C, GCCの実行速度比較 (単位 秒)}
+  \label{tab:mc,gcc,compare}
+\end{table}
+この評価から本研究における目的の一つ、``CbCコードの高速化''を
+達成できたことが分かった。
+
+\section{今後の課題}
+本研究において、CbCを使う分にはほぼ問題はなくなったが、
+まだ対応していない構文や、バグが以下の通り見つかっている。
+\begin{description}
+  \item[environment]
+    CbCにはもう一つ、environment付きの継続という構文が存在する。
+    これは関数からcode segmentにgotoした場合に関数の呼び出し元に戻る
+    ことを可能にするものだが、今回この実装は間に合わなかった。
+  \item[code segmentポインタの計算] 今の実装では\verb|goto cs->next(a, b);|
+    のように呼び出し先code segmentを計算することができない。
+  \item[-O2オプションの強制] CbCは-O2オプションをつけないとコンパイルできない。
+    なのでファイル名が.cbcの場合はこれを強制させる必要がある。
+  \item[fastcall] code segmentではfastcallを強制させることで高速化が期待できる。
+\end{description}
+この中から特に重要なのがenvironmentとcode segmentポインタの計算
+への対応だと考えている。
+この二つができればとりあえずCbCの現在の仕様を満たす。
+
+これらに加えて、GCCにはすでにC++やObjective-Cのコンパイルが可能である。
+これを活かし、CbC++, もしくはObjective-CbCといった既存の言語と
+CbCを組み合わせた言語に付いても考えてみる価値があるだろう。
+
+
+\begin{thebibliography}{9}
+  \bibitem{kono1} 河野真治. ``継続を基本とした言語CbCのgcc上の実装''.
+	日本ソフトウェア科学会第19回大会論文集, Sep, 2002.
+  \bibitem{kono2} 河野真治. ``継続を持つCの下位言語によるシステム記述''.
+	日本ソフトウェア科学会第17回大会論文集, Sep, 2000.
+  \bibitem{gcc1} GNU Project - Free Software Foundation, GCC internal manual.
+	``http://gcc.gnu.org/onlinedocs/gccint/''.
+\end{thebibliography}
+
+\end{document}