view 4.tex @ 5:34bfeb51e287

add section tex file, Makefile
author gongo@gendarme.local
date Sat, 28 Mar 2009 16:26:43 +0900
parents
children
line wrap: on
line source

\section{ Protocol の正しさ}

Merge Protocol の正しさの証明は、Protocol自体の正しさと、
Protocolの実装を含めた正しさの二種類の正しさを示す必要がある。

ここでは、(A)のProtocolの正しさを示す。Editor $0..n$ が、
それぞれ、編集コマンド$C_{ij}$ (Editor $i$の$j$番目のコマンド,$j$は0から)を
入力したとする。このコマンドは、Session ring を巡回する。
巡回するたびに、各Editor $k$が{\tt NOP} Command $N_{kx}$を、その
コマンドの前に付加する。
% (A)では自分が既にCommandを送っていれば{\tt NOP}を付加する必要は
% ないが、ここでは、必ず付加することにする。
$x$は、コマンドの順序である。
% $C_{ij}$の$j$は、{\tt NOP}を含めた番号に付け換える。

Editor $m$では、
\[  C_{m0} C_{x0} N_{00} .... N_{yz} \]
などのコマンド列が実行されることになる。これを$C/N$の
区別のないコマンド記号($E_{ij}$)で置き換えよう。
\[  E_{m0} E_{x0} E_{00} .... E_{yz} \]
NOPの付加手順から、
他のEditorが送ったCommandには、その前の他のEditorからのCommandを
受け取った後の、
自分が送ったCommand(0以上の複数個)
または、{\tt NOP}
が必ず対応している。
対応するCommandとは、Session ring 上で同時に実行されたと考えられる
Command の集合と考えて良い。
Command はSession ring  を一周するので、すべての
Editor が同じCommandの集合を受け取っている。

ここで、対応したCommandの集まり毎に列を分割し、
Editor iの
その集まりを集合と
みなし$S_{ij}$ とする。この集合の列を$Z_i$とする。
\[  Z_i = S_{i0} S_{i1} .... S_{in} \]
定義から隣同士の$S_{ij}$には、
対応したCommandが含まれることはない。

この集合列$Z$は、すべてのEditorで同一となる。
[証明]
Editor $i$とEditor $j$で、$S_{ik}$と、$j$の$S_{jk}$が異なっている
としよう。あるCommand $E_s$があって、
$E_s \in S_{ik}$であって$E_s \in S_{jk}$でない。
しかし、$E_s$
はsession ringを一周しているので、$S_{ik}$と$S_{jk}$の両方に
含まれているか、隣同士にあるはずである。両方に含まれていると
すると仮定と矛盾するので、隣同士になるはずである。しかし、隣同士で
あれば、Command の分割の方法に矛盾する。[証明終り]

従って、$S_i$をEditor idとCommand順序によってソートしてやれば、
すべてのEditorで、同一なCommand列を得ることが出来る。
ソートのタイミングは、対応するコマンドがすべて自分に到着した時点である。
自分の送った新しいコマンド、または、新しい{\tt NOP}が
来たことによって、その一つ前までが対応しているものだということがわかる
ので、その時点でソートしてやれば良い。従って、Merge Protocolにより、
すべてのEditorで同一の編集結果が得られることがわかった。

(B)では、{\tt NOP}の挿入の代わりに{\tt ack}を、もう一周させている。
{\tt ack} が来た時点で、対応するCommandの集合が確定する。あるいは、
仮想的に{\tt NOP}を挿入したと考えると、その{\tt NOP}は、{\tt ack}
の前に挿入されていると考えて良い。従って、(A)と同じように集合列$Z$
を、すべてのEditorで同一となるように決めることが出来る。

プロトコルの実装の正しさは、実装言語であるJavaに深く依存するので、
このように簡単に証明することは出来ない。そこで、
モデル検査器であるJava PathFinder\cite{havelund98model}を用いる。