comparison paper/model.tex @ 33:155d21d6e916

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author Nobuyasu Oshiro <dimolto@cr.ie.u-ryukyu.ac.jp>
date Sun, 31 Mar 2013 09:02:46 +0900
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32:00054bb21a8f 33:155d21d6e916
2 ある事柄に対して合意を取る場合, 議論が行われる. 2 ある事柄に対して合意を取る場合, 議論が行われる.
3 そこで, 合意形成支援を行うため, 議論のモデルから考えてみた. 3 そこで, 合意形成支援を行うため, 議論のモデルから考えてみた.
4 %いくつか上げられたモデルのうちの1つが次のモデルとなる. 4 %いくつか上げられたモデルのうちの1つが次のモデルとなる.
5 5
6 \subsection{モデルの概要} 6 \subsection{モデルの概要}
7 提案する議論のモデルは, 合意形成を「主張」・「関係」・「ユーザ」の要素から構成される木と考える. 7 提案する議論のモデルは, 合意形成を{\bf 主張}・{\bf 関係}・{\bf ユーザ}の要素から構成される木と考える.
8 合意を取りたい「主張」があり, その内容を深めて議論していくことでステークホルダ(「ユーザ」) 8 合意を取りたい{\bf 主張}があり, その内容を深めて議論していくことでステークホルダ({\bf ユーザ})
9 に合意するよう説得していく. 9 に合意するよう説得していく.
10 議論を深めていくことは, 「主張」から更に踏み込んだ内容の「主張」が複数派生すると考えられる. 10 議論を深めていくことは, {\bf 主張}から更に踏み込んだ内容の{\bf 主張}が複数派生すると考えられる.
11 また, 「主張」に対してどのように踏み込んだかという「関係」も発生する. 11 また, {\bf 主張}に対してどのように踏み込んだかという{\bf 関係}も発生する.
12 よって「主張」から複数の「関係」と「主張」が派生し, その「主張」からさらに複数の 12 よって{\bf 主張}から複数の{\bf 関係}と{\bf 主張}が派生し, その{\bf 主張}からさらに複数の
13 「関係」と「主張」が派生することにより, 木構造を構成できる. 13 {\bf 関係}と{\bf 主張}が派生することにより, 木構造を構成できる.
14 これは木構造には閉路が含まれないため, 循環論法が生じさせないという狙いがある. 14 これは木構造には閉路が含まれないため, 循環論法が生じさせないという狙いがある.
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16 %\begin{itemize} 16 %\begin{itemize}
17 %\item 木構造にすることでいくつかの利点が得られる. 17 %\item 木構造にすることでいくつかの利点が得られる.
18 % \begin{itemize} 18 % \begin{itemize}
19 % \item 木構造には閉路が含まれない. よって循環論法が生じない 19 % \item 木構造には閉路が含まれない. よって循環論法が生じない
20 % \item 非破壊的な編集が可能である 20 % \item 非破壊的な編集が可能である
21 % \end{itemize} 21 % \end{itemize}
22 %\end{itemize} 22 %\end{itemize}
23 23
24 「ユーザ」・「主張」・「関係」は以下の用に定義される. 24 {\bf ユーザ}・{\bf 主張}・{\bf 関係}は以下の用に定義される.
25 \begin{itemize} 25 \begin{itemize}
26 \item ユーザ 26 \item ユーザ
27 \begin{itemize} 27 \begin{itemize}
28 \item 合意形成の参加者をユーザという 28 \item 合意形成の参加者をユーザという
29 \end{itemize} 29 \end{itemize}
33 \item ユーザが作成した合意をとりたい, 議論すべき内容を含むものを主張という 33 \item ユーザが作成した合意をとりたい, 議論すべき内容を含むものを主張という
34 \end{itemize} 34 \end{itemize}
35 35
36 \item 関係 36 \item 関係
37 \begin{itemize} 37 \begin{itemize}
38 % \item 互いに異なる「主張」と「主張」がどのように踏み込んだかを示すのを「関係」という 38 % \item 互いに異なる{\bf 主張}と{\bf 主張}がどのように踏み込んだかを示すのを{\bf 関係}という
39 \item ユーザと主張, もしくは互いにことなる主張と主張がどのように踏み込んだかを示すのを「関係」という 39 \item ユーザと主張, もしくは互いにことなる主張と主張がどのように踏み込んだかを示すのを{\bf 関係}という
40 \end{itemize} 40 \end{itemize}
41 \end{itemize} 41 \end{itemize}
42 42
43 \subsection{GraphDBによる表現} 43 \subsection{GraphDBによる表現}
44 GraphDBを用いて上記のモデルを表現する. 44 GraphDBを用いて上記のモデルを表現する.
45 提案するモデルの「ユーザ」と「主張」がノードで, 「関係」がエッジにあたる. 45 提案するモデルの{\bf ユーザ}と{\bf 主張}がノードで, {\bf 関係}がエッジにあたる.
46 各主張とユーザとの関係を示したものが図\ref{fig:tomodel0}となる.四角がノードを, 矢印がエッジをそれぞれ表している. 46 各主張とユーザとの関係を示したものが\figref{fig:tomodel0}となる.四角がノードを, 矢印がエッジをそれぞれ表している.
47 47
48 \begin{figure}[tb] 48 \begin{figure}[tb]
49 \begin{center} 49 \begin{center}
50 \includegraphics[scale=0.35]{figure/TOModel0_2.pdf} 50 \includegraphics[scale=0.35]{figure/TOModel0_2.pdf}
51 \caption{主張ノードとユーザノードの繋がり} 51 \caption{主張ノードとユーザノードの繋がり}
52 \label{fig:tomodel0} 52 \label{fig:tomodel0}
53 \end{center} 53 \end{center}
54 \end{figure} 54 \end{figure}
55 55
56 %主張が合意されたという状態になるのは, 合意要求をだしている相手から合意をもらえたときとなる. 56 %主張が合意されたという状態になるのは, 合意要求をだしている相手から合意をもらえたときとなる.
57 図\ref{fig:tomodel0}において主張2,3からユーザへのエッジは省略しているが、 57 \figref{fig:tomodel0}において主張2,3からユーザへのエッジは省略しているが、
58 各主張ノードからはそれぞれ作者と合意要求の関係となるエッジがユーザノードへと繋げられる. 58 各主張ノードからはそれぞれ作者と合意要求の関係となるエッジがユーザノードへと繋げられる.
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61 \subsection{合意状況の計算} 61 \subsection{合意状況の計算}
62 このモデルにおいて主張は一人以上のユーザに合意要求を出して合意してもらわなければならない. 62 このモデルにおいて主張は一人以上のユーザに合意要求を出して合意してもらわなければならない.
63 しかし, その主張に子となる主張(図\ref{fig:tomodel0}での主張2,3)がある場合, つまり関係が張られた別の主張がある場合, 63 しかし, その主張に子となる主張(\figref{fig:tomodel0}での主張2,3)がある場合, つまり関係が張られた別の主張がある場合,
64 子となる主張を合意もしくは否認させておかなくてはならない. 64 子となる主張を合意もしくは否認させておかなくてはならない.
65 自身の主張の合意を通すための各関係は以下のとおりとなる. 65 自身の主張の合意を通すための各関係は以下のとおりとなる.
66 \begin{itemize} 66 \begin{itemize}
67 \item 反論 67 \item 反論
68 \begin{itemize} 68 \begin{itemize}
78 \end{itemize} 78 \end{itemize}
79 \end{itemize} 79 \end{itemize}
80 80
81 上記のように3種類の関係も主張の合意状態に影響を与える. 81 上記のように3種類の関係も主張の合意状態に影響を与える.
82 実際にどのように主張が立てられて合意がなされていくのか簡単なシナリオを 82 実際にどのように主張が立てられて合意がなされていくのか簡単なシナリオを
83 記述して示したものが図\ref{fig:tomodel2}となる. 83 記述して示したものが\figref{fig:tomodel2}となる.
84 84
85 図\ref{fig:tomodel2}の説明を行う. 85 \figref{fig:tomodel2}の説明を行う.
86 四角が主張を, 矢印が関係をそれぞれ表す. 86 四角が主張を, 矢印が関係をそれぞれ表す.
87 まず最初に主張1「アプリでGraphDBを利用すべきである」が立てられる. 87 まず最初に主張1「アプリでGraphDBを利用すべきである」が立てられる.
88 次にその主張に対して反論となる主張2「RDBを利用すべきである」が立てられる. 88 次にその主張に対して反論となる主張2「RDBを利用すべきである」が立てられる.
89 この時, 最初にたてた主張は自身の合意を取るためには反論となる主張を否認させなければならない. 89 この時, 最初にたてた主張は自身の合意を取るためには反論となる主張を否認させなければならない.
90 そこで, 反論に対して反論を用意し, 主張3「データ構造がGraphDBに向いている」を立て主張2を否認する. 90 そこで, 反論に対して反論を用意し, 主張3「データ構造がGraphDBに向いている」を立て主張2を否認する.
91 2の主張の作成を行った人は3の主張で納得したため3に合意を行う. 91 主張2の作成を行った人は主張3で納得したため主張3に合意を行う.
92 それにより2の主張は否認されることとなる. 92 それにより主張2は否認されることとなる.
93 次に質問となる主張4「どのGraphDBを利用すべきでか?」が立てられる. 93 次に質問となる主張4「どのGraphDBを利用すべきでか?」が立てられる.
94 これに対しては提案となる主張5「TinkerPopはどうか」をたてることで応える. 94 これに対しては提案となる主張5「TinkerPopはどうか」をたてることで応える.
95 質問者はその答えに納得し主張5に対して合意を行い, 他に反論や質問も無いため主張1に対しても合意する. 95 質問者はその答えに納得し主張5に対して合意を行い, 他に反論や質問も無いため主張1に対しても合意する.
96 これで主張1に対して反論の関係にある主張は否認にし, 質問となる主張の合意を取ることができたため, 主張1の合意はなされた. 96 これで主張1に対して反論の関係にある主張は否認にし, 質問となる主張の合意を取ることができたため, 主張1の合意はなされた.
97 以上が提案するモデルによる合意を取るまでの簡単な流れである. 97 以上が提案するモデルによる合意を取るまでの簡単な流れである.
105 \end{figure} 105 \end{figure}
106 106
107 107
108 \subsection{トゥールミンモデル} 108 \subsection{トゥールミンモデル}
109 また, それぞれ個々の主張に対してもモデルを考えてみる. 109 また, それぞれ個々の主張に対してもモデルを考えてみる.
110 今回は, トゥールミンモデルと呼ばれるモデルを適用できるようにしておく. 110 今回は, トゥールミンモデルと呼ばれるモデルを適用する.
111 トゥールミンモデルは1つの主張には以下の5つの情報も必要であるとするモデルである. 111 トゥールミンモデルは1つの主張には以下の5つの情報も必要であるとするモデルである.
112 \begin{itemize} 112 \begin{itemize}
113 \item データ(Data) 113 \item データ(Data)
114 \item 根拠(Warrant) 114 \item 根拠(Warrant)
115 \item 裏付け(Backing) 115 \item 裏付け(Backing)
120 主張を後押しする客観的な資料となるデータがあり, 根拠はデータがなぜ主張を後押しするのかを示す. 120 主張を後押しする客観的な資料となるデータがあり, 根拠はデータがなぜ主張を後押しするのかを示す.
121 裏付けは根拠が正しいことを示し, 論駁には主張が成り立たなくなる例外の条件が入る. 121 裏付けは根拠が正しいことを示し, 論駁には主張が成り立たなくなる例外の条件が入る.
122 限定詞を使うことで主張が完全であるかないかを表すことができる. 122 限定詞を使うことで主張が完全であるかないかを表すことができる.
123 これらの情報をもった主張がトゥールミンモデルとなる. 123 これらの情報をもった主張がトゥールミンモデルとなる.
124 このトゥールミンモデルはGraphDB上の主張となるノードにプロパティとしてそれぞれ持たせられるようにする. 124 このトゥールミンモデルはGraphDB上の主張となるノードにプロパティとしてそれぞれ持たせられるようにする.
125 トゥールミンモデルの概略図を示したのが図\ref{fig:toulmin}となる. 125 トゥールミンモデルの概略図を示したのが\figref{fig:toulmin}となる.
126 \begin{figure}[tb] 126 \begin{figure}[tb]
127 \begin{center} 127 \begin{center}
128 \includegraphics[scale=0.30]{figure/toulmin.pdf} 128 \includegraphics[scale=0.30]{figure/toulmin.pdf}
129 \caption{トゥールミンモデル概略図} 129 \caption{トゥールミンモデル概略図}
130 \label{fig:toulmin} 130 \label{fig:toulmin}