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author Daichi TOMA <toma@cr.ie.u-ryukyu.ac.jp>
date Tue, 04 Feb 2014 09:38:20 +0900
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\chapter{研究背景と目的} \label{ch:introduction}
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Web サービスの脆弱性狙った攻撃が頻繁に発生している。
脆弱性を悪用されると、Web サービス運営者は賠償など多大な損害を受ける可能性がある。
純粋関数型プログラミング言語 Haskell は、バッファオーバーフローや、クロスサイトスクリプティング、SQL インジェクションを事前の型検査で防ぐことができる。
つまり、Haskell を用いることで信頼性の高い Web サービスを開発できると言える。

本研究の目標は、Haskell を用いて信頼性の高い Web サービスおよびデータベースの開発である。
また、並列実行で性能が線形に向上するスケーラビリティの達成を目指す。
Web サービス のスケーラビリティを実現するための難点の一つはデータベースであり、データベースは並列にデータにアクセスできる設計が必要となる。

本研究では並列にデータへアクセスする手法として、非破壊的木構造を利用する。
非破壊的木構造では、排他制御をせずにデータへアクセスすることが可能でありスケーラビリティを確保できる\cite{shoshi:2010a}\cite{shoshi:2011a}\cite{shoshi:2011b}。

実装した並列データベースの読み込みと書き込みについて性能を計測し、
読み込みに関して 12 コアで実行した場合、 1 コアで実行した場合と比較して、10.77 倍 という性能向上率が確認でき、
マルチコアプロセッサの性能を引き出すことができた。

また、Web 掲示板サービスを開発し、 既存の Java の非破壊的木構造データベースを用いた掲示板実装との比較をおこない、読み込みで 1.87 倍、書き込みで 2.3 倍の性能が確認できた。