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author taiki
date Fri, 06 Feb 2015 11:07:58 +0900
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\chapter{Shien システム}

本章では現在のシステムの問題点をあげ、Shien システムでその問題点を改善する方法を示す。

\section{Multi User Support}

情報工学科では一学年 60 名、学科全体で 240 名の学生が在籍している。そのすべての学生に対応するため、複数のユーザを管理できる必要がある。そのためには、複数の相手に同じ権限を、容易に配布するシステムでなければならない。

現在の学科の VM 管理システムでは、複数のユーザに対応するための権限の配布は VMWare vSphere Client で行われている。VMWare vShpere Client は豊富な機能を持っており、権限も細かく配布することができる。しかし多くのユーザに権限を配布するには手間がかかってしまうため、その手間を減らさなければならない。

配布するべき権限は二種類ある。管理者とユーザである。管理者はシステムそのものを管理する。計算機や hypervisor の設定、全ての VM やコンテナの操作をすることができる。

ユーザはユーザ自身の資源のみを操作することができる。またシステム全体に関わる操作は行うこともできない。

\section{資源の制限}

計算機の資源は、主にストレージ、CPU 、メモリである。ユーザに提供できる計算機資源は限られている。ユーザ1つに対して多くの資源を与えてしまうと、他のユーザへ資源の配布が困難になる。

また明示的に資源を与えなくても、ユーザが管理者の許可無く大量の資源を確保することを防ぐ必要がある。

現在のシステムではユーザは VM という形で資源を切り出している。 VM を新たに作成するにはメールで申請する。メールを受け取った管理者は VMWare ESXi 上に VM を作成し、VM 内に作成したユーザを申請者にメールで返信する。学生は最大240名いるため、一人ひとりに VM 申請作成を行うのは困難であり、全員に均等に VM を使って学習する機会を与えられない。

Shien システムではユーザが使う資源を管理者が応対すること無く自動的に割り当て、制限できるよう構成する。

制限可能な資源は、VM の場合は以下のようになる。

\begin{itemize}
    \item 使用 CPU core 数
    \item メモリ容量
    \item 作成可能な VM の数
\end{itemize}

またコンテナの場合は以下のようになる。

\begin{itemize}
    \item 使用 CPU core 数
    \item メモリ容量
    \item 作成可能なコンテナの数
\end{itemize}

これらを制限することができれば、管理者がユーザの資源を固定できる。


\section{iSCSIファイルシステムへ対応}

計算機の外部に大容量の記憶媒体を置くことで、計算機そのものに記憶媒体を搭載しなくても多くのユーザに大きなデータ容量を配布できる。次期システムでは iSCSI で複数の計算機と記憶媒体と接続する。

そうすることで複数台の計算機で、VM イメージやユーザのデータを共有する。またそれによって VM をライブマイグレーション可能にする。計算機がメンテナンスをしなければならなかったり、計算機を止める必要のある際に VM を止めずに他の計算機へ移動することができる。

そのため iSCSI で複数台の計算機から接続された場合に、高速で整合性を保つことのできるファイルシステムを使用する必要がある。

\section{クラウドへの対応}

クラウドサービスとは外部のサービス上でウェブサービスなどのシステムを稼働させる事のできるサービスである。
現在のシステムでは、クラウドサービスへの対応を行っていない。学生が外部のクラウドサービスを使用するためには、自主的にコストを支払い一から構成する。

次期システムではクラウド上の資源を確保する。情報工学科のシステムのバックアップが行え、クラウドサービスを学生が使えるようになる。

Shien システムでは次期システム構成へ対応するため、クラウドサービスへ学生の開発したサービスやシステムのデプロイが行え、また管理者の負担を抑えて管理できるようにしなければならない。