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author atton <atton@cr.ie.u-ryukyu.ac.jp>
date Sun, 12 Feb 2017 18:10:16 +0900
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1 title: メタ計算を用いた Continuation based C の検証手法
2 author: Yasutaka Higa
3 profile:
4 lang: Japanese
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7 # プログラミング言語とソフトウェアの信頼性
8 * 信頼性の高いソフトウェアを提供したい
9 * ソフトウェアの仕様を検証するには二つの手法がある
10 * プログラムの持つ状態を数え上げ、仕様から外れた状態が無いかを確認するモデル検査
11 * プログラムの性質を直接証明してしまう定理証明
12 * モデル検査も証明も行ないやすい言語として Continuation based C 言語を開発している
13
14 # 二つのアプローチを用いたソフトウェア検証
15 * モデル検査的アプローチ
16 * メタ計算ライブラリ akasha による網羅的な実行
17 * 非破壊赤黒木の仕様定義と検証
18 * 定理証明的なアプローチ
19 * 依存型を持つ証明支援系言語 Agda による CbC の証明
20 * 部分型を利用して Agda 上に型付きの CbC の項を記述する
21 * 型システムを通して CbC の形式的な定義を得る
22 * SingleLinkedStack の性質の証明
23
24 # Continuation based C
25 * 当研究室で開発しているプログラミング言語
26 * アセンブラとC言語の中間のような言語であり、構文はほとんど C 言語
27 * OS や組み込みソフトウェアなどを対象にしている
28 * CodeSegment と DataSegment という単位を用いてプログラミングする
29
30 # CodeSegment
31 * CodeSegment とは
32 * 処理の単位
33 * 結合や分割が容易
34 * 入力と出力を持つ
35 * CodeSegment どうしを接続することによりプログラム全体を作る
36 * TODO: 図
37
38 # DataSegment
39 * DataSegment とは
40 * データの単位
41 * CodeSegment の入出力にあたる
42 * 接続元の Output DataSegment は接続先の Input DataSegment
43 * TODO: 図
44
45 # メタ計算
46 * とある計算を実現するための計算
47 * ネットワーク接続、例外処理、メモリ確保、並列処理など
48 * 時に本来行ないたい処理よりも複雑になる
49 * CbC は通常レベルの計算とメタ計算を分離して考える
50 * 通常レベルではポインタは出てこない、など
51 * TODO: 図
52
53 # Meta CodeSegment
54 * メタ計算を行なう CodeSegment
55 * 通常の CodeSegment どうしの接続の間に入る
56 * TODO: 図
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58 # Meta DataSegment
59 * メタ計算用の DataSegment
60 * 通常の DataSegment を含むような DataSegment
61 * TODO: 図
62
63 # C言語との対応
64 * CodeSegment は C 言語における返り値の無い関数
65 * DataSegment は C 言語における構造体
66 * Meta CodeSegment は CodeSegment の前後にある CodeSegment
67 * Meta DataSegment は全ての DataSegment の共用体を持つ構造体
68 * CodeSegment の接続は goto における軽量継続
69 * 末尾のみで行なうスタックを保持しない関数呼び出し
70
71 # 並列に信頼性高く動作する GearsOS
72 * CbC を用いたメタ計算の例として本研究室で開発している GearsOS がある
73 * 並列実行やモデル検査をメタ計算として提供する
74 * 現在はメモリ管理、Synchronized Queue、非破壊赤黒木などが実装済み
75 * 今回はこの非破壊赤黒木の検証を行なう
76
77 # 赤黒木
78 * データの保存に用いる二分木
79 * 特に赤黒木はノードが持つ赤か黒の色を使って木のバランスを取る
80 * ルートノードと葉ノードの色は黒
81 * 赤ノードは2つの黒ノードを子として持つ(よって赤ノードが続くことは無い)
82 * ルートから最下位ノードへの経路に含まれる黒ノードの数はどの最下位ノードでも一定
83 * TODO: 図
84
85 # GearsOS における赤黒木の利用例(ノードの挿入)
86 * 挿入したい要素を DataSegment に格納して次の CodeSegment へ goto
87 * goto する前に Meta CodeSegment が実行されて木に挿入する
88 * GearsOS では木の実装のためにスタックを用いて経路情報を保持している
89 * TODO: 図
90
91 # 仕様の記述とその確認
92 * 「バランスが取れている」とは何かを表現できる必要がある
93 * 実行可能な CbC の式を使った assert になる
94 * そしてそれを保証したい
95 * プログラムの全ての状態においてこれは常に成り立つのか?
96
97 # 既存のモデル検査器 spin
98 * spin
99 * promela と呼ばれる言語でプログラムを記述
100 * 並列に動作するプログラムの仕様を検証可能
101 * 検証した promela から実行可能な C ソースを生成可能
102 * 仕様は bool になる式を用いた assert
103 * promela は C とは記述が異なる
104
105 # 既存のモデル検査器 CBMC
106 * CBMC
107 * 検証対象のCソースを変更しないでも良い
108 * C/C++ 言語の記号実行が可能
109 * 条件分岐を網羅的に実行
110 * 仕様は bool になる式を用いた assert
111 * 有限ステップ検証する有界モデル検査器
112
113 # メタ計算ライブラリ akasha
114 * メタ計算としてプログラムの状態を数え上げる
115 * goto された時に挿入される要素の組み合わせを全て列挙して実行する
116 * その度に仕様の式は成り立つかをチェックする
117 * TODO: 図
118
119 # チェックする仕様
120 * TODO: たかさについて
121
122 # akasha と CBMC の比較
123 * akasha は有限の要素数の組み合わせをチェックする
124 * 要素数が13個までならどの順で木に挿入しても良い
125 * 比較対象として C Bounded Model Checker を使用した
126 * C/C++ の記号実行を行なう
127 * 実行可能なステップ数411だけ展開しても仕様は満たされる
128 * が、恣意的にバグを入れ込んでも反例を返さない
129 * akasha は返した
130 * 固定の要素数までの仕様検査で十分なのか?
131
132 # 定理証明
133 * 任意の回数だけ木の操作を行なっても大丈夫なことを保証したい
134 * そのままプログラムの性質を保証してやる
135 * プログラムと証明は Curry-Howard Isomorphism により、自然演繹と型付ラムダ計算が対応
136 * プログラムにおける命題は型であり、証明はその導出が存在するかどうか
137 * 例えば三段論法が書ける
138 * (A -> B) -> (B -> C) -> (A -> C)
139 * (int -> bool) -> (bool -> float) -> (int -> float)
140
141 # 証明支援系 Agda
142 * 依存型を持つ言語
143 * 型が第一級(型が値である)
144 * 「型を取って型を返す型」などが定義可能
145 * 定理証明が記述可能
146 * この言語の上に CbC の項を表現する
147 * Agda 経由で CbC の形式的な定義を得る
148
149 # Agda 上に CbC を記述するには?
150 * CbC と CbC の対応で書ける?
151 * DataSegment -> 構造体(複数の値と名前によって成り立つ)
152 * CodeSegment -> 関数型(型を取って型を返す)
153 * Meta DataSegment -> 構造体の共用体
154 * Meta CodeSegment -> 関数型?
155 * Meta CodeSegment の階層構造をどう定義するか
156 * 構造体に相当するレコード型はAgdaにある
157 * 共用体に相当する直和型も定義可能
158
159 # メタレベルの型付け
160 * Meta CodeSegment が持っているべき性質
161 * メタレベルは階層構造を持つ
162 * メタ計算は組み合わせられる
163 * ノーマルレベルの DataSegment を一様に扱える
164 * ノーマルレベルの CodeSegment へと goto できる
165 * どんなプログラムからもライブラリとして使える
166 * 構造体では融通が効かない
167 * 完全にマッチしなくてはいけない
168 * TODO: ソース
169
170 # 部分型
171 * DataSegment が持つべき制約を表現できる型
172 * 型 T が期待される文脈で S を用いても良い、というようなことができる
173 * 「S <: T」で「S は T の部分型である」と読む
174 * 全てのDataSegment に対して「MDS <: DS」となるような MDS を用意する
175 * DataSegment X が期待される CodeSegment に Meta DataSegment を渡してやる
176
177 # 入力の部分型
178 # 出力の部分型
179
180 # 部分型で何ができたか?
181 * Meta CodeSegment を部分型とすることで
182 * ノーマルレベルの CodeSegment の前後に処理を入れても型は整合する
183 * Meta CodeSegment を CodeSegment とすることで階層構造を作れる
184 * Meta DataSegment を部分型とすることで
185 * ノーマルレベルからはアクセスできないデータを保持してもOK
186 * ノーマルレベルに Meta DataSegment を渡しても良い
187 * こちらも階層構造を取ることができる
188
189 # SingleLinkedStack の証明
190 * 証明支援系 Agda に GearsOS のデータ構造 SingleLinkedStack を定義
191 * スタックは赤黒木に用いられている
192 * その性質を証明する
193 * 性質もいくつか考えられる
194 * 「push して pop するとスタックは元に戻る」
195
196 # Agda を用いた証明手法
197 * 基本的にはデータの構造に関する帰納法
198 * スタックは内部に SingleLinkedList を持つ
199 * SingleLinkedList は NULL か値と次のノードを持つ
200 * 値がある場合と無い場合との場合分け
201 * 挿入する要素を指定せずに push を呼ぶとどうなるのか?
202 * 実装依存のコード
203 * 証明には表れる
204 * TODO: かく...
205
206 # まとめ
207 * Continuation based C 言語を対象にした二種類の検証アプローチ
208 * モデル検査的なアプローチ
209 * 継続を上書きして可能な状態を数え上げるメタ計算ライブラリ akasha を実装
210 * 有限の要素数まで保証できた
211 * 証明的なアプローチ
212 * 証明支援系 Agda 上で CbC のプログラムを定義して直接証明
213 * 部分型を利用して CbC を型付け
214 * データ構造 SingleLinkedStack の証明ができた
215
216 # 今後の課題
217 * 部分型を利用してCbCを型付け
218 * 依存型をCbC に導入して自身を証明可能にする
219 * 型情報から stub を自動生成すkる
220 * 赤黒木の挿入を証明する
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