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author Takahiro SHIMIZU <anatofuz@cr.ie.u-ryukyu.ac.jp>
date Wed, 07 Nov 2018 22:35:07 +0900
parents 0cce27e3a63a
children 2bf64cfb91b1
files Paper/anatofuz.pdf Paper/anatofuz.tex
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Binary file Paper/anatofuz.pdf has changed
--- a/Paper/anatofuz.tex	Wed Nov 07 21:32:47 2018 +0900
+++ b/Paper/anatofuz.tex	Wed Nov 07 22:35:07 2018 +0900
@@ -234,6 +234,10 @@
 CbC側はcbc\_nextにbreak pointを設定し,オリジナル側は次のオペコードの設定のマクロにダミーの関数を呼び出すように修正し,そこにbreak pointを設定する.
 CbC側ではCodeSegmentの名前を直接確認できるが,オリジナル版はLABLEの配列の添え字から自分でどのオペコードに対応しているかを探す必要がある.
 CbCとオリジナルのCODES,LABELの添字は対応している為,ログの解析を行う際はそれぞれの添字を抽出し違いが発生している箇所を探索する.
+違いが生じている箇所が発見できた場合,その前後のCodeSegment及びディスパッチ部分にbreak pointをかけ,それぞれの変数の挙動を比較する.
+主にcbc\_return系の命令が実行されている場合は,その直前で命令を切り替えるcbc\_invoke系統の命令が呼ばれているが,この周辺で何かしらの違いが発生している可能性が高い.
+その為,アセンブラレベルの命令を確認しながらデバッグを進めることとなる.
+
 
 
 \subsection{CbCコンパイラによるバグ}
@@ -241,6 +245,7 @@
 CbCコンパイラ自身はそれぞれ用意したテストスイートを通化するものの,MoarVMの様な巨大なプロジェクトのCSをコンパイルを実行する場合,予期せぬバグが発生した.
 主にCS間のgotoにおけるtail callフラグの除去や,DSとして渡している構造体の変数のアドレスがスタックポインタの値より上位に来てしまい,通常のCの関数をcallした際にローカル変数の領域がDSのアドレスの周辺を利用してしまう.
 その為DSの構造体の値が書き換わり,CからDSにreturnした際にDSの構造体が破壊されるバグである.
+このバグは先程の並列デバッグを行いながらプログラムカウンタや変数の動きをトレースする事などで発見することが出来る.
 現状ではCbCコンパイラがプログラマの意図と反する挙動を取るためCbCコンパイラのバグを回避するプログラミングが要求されている.
 本来コンパイラ側のバグを回避するプログラミングをプログラマに要求するスタイルは好ましくない.
 従ってCbCコンパイラ自身の信頼性を向上させる事も今後の課題となっている.
@@ -287,7 +292,25 @@
 
 
 \section{今後の課題}
+本論文ではCbCによってPerl6の処理系であるMoarVMインタプリタの一部改良とその手法を示した.
+CbCのCodeSegment部分を用いることできめ細やかな記述が出来,デバッグし辛い箇所もbreakpointの設定などが容易になった.
 
+今後CbCでの開発をより深く行っていくにあたり,CbCコンパイラそのものの信頼性を向上させる必要がある.
+MoarVMの開発を行うにあたり新たに発見された複数のバグを修正し,より安定するコンパイラに改良を行う.
+
+現在CbCMoarVMで直接バイトコードを入力した場合のnqpのテストは\%パスする.
+また数値の計算と出力などの簡単なNQPの例題を作成し,オリジナルのNQP,moarvmでバイトコード化したものを入力した際も正常に動作している.
+今後はさらに複雑な例題やPerl6の独自文法でも動くかどうかの実験を行う.
+
+MoarVMではGCからオブジェクトを守る為にMVMROOTというマクロを利用し,局所変数のポインタをスタックに登録する処理を行っている.
+GCの制御を効率的に行えば本来は必要ない処理であり,実行するとCodeSegmentの優位性が損なわれてしまう.
+従ってMoarVMのGCの最適化を行う.
+
+また高速化という面では,Perlの特徴である正規表現に着目し,正規表現の表現のみ高速で動く最適化の導入なども検討している.
+
+Perl6の開発は非常に活発に行われている為,CbCMoarVMの最新版の追従も課題となっている.
+現在はinterp.cからPerlスクリプトを用いて自動でCbCのCodeSegmentを生成している.
+今後の開発領域の拡大と共により効率的にCbCコードへの自動変換も開発していく.
 
 %å\subsection{MoarVMの処理流れ}
 %MoarVMはC言語で実装されており,Perl5で記述されたConfigure.plを