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fix TileLoop explain
author | riono <e165729@ie.u-ryukyu.ac.jp> |
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date | Sun, 16 Feb 2020 05:27:40 +0900 |
parents | 37ad9420dc84 |
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\chapter{Multicastに向けたBlockingの実装} \label{chap:poordirection} \section{有線接続と無線LAN接続との違い} 現在のTreeVNCでは有線接続と無線LAN接続のどちらでも、VNCサーバから画面配信の提供を受けることが可能である。しかし画像配信のデータ量は膨大なため、現在のTreeVNCでVNCサーバに無線LAN接続を行なった場合、画面配信の遅延が大きくなってしまう。 無線LAN接続時の場合でも画面切り替えの機能は有効であるため、VNCサーバ側が無線LANで接続を行い、クライアント側は有線接続を行うことで画面配信が可能となる。ここで、WifiのMulticastの機能を用いてクライアント側でもWifiを使用することが可能であると考えられる。Root Nodeは無線LANに対して、変更するUpdate RectangleをMulticastで一度だけ送信する。 有線接続の場合は従来通り、VNCサーバ、Root Node、Nodeからなるバイナリツリー状に接続されるため、有線接続時と無線LAN接続時でのVNCサーバの接続方法を分割することが可能である(図\ref{fig:coexistence})。こうすることにより、新しいNodeが無線LAN接続であっても有線接続の木構造には影響を及ぼさない。 \begin{figure}[htb] %PDF \begin{center} \includegraphics[scale=0.35]{fig/coexistence.pdf} \figcaption{接続方法の分割} \label{fig:coexistence} \end{center} \end{figure} WifiのMulticast Packetのサイズは64KByteが最大となっている。4Kディスプレイを例にとると、4Kディスプレイの大きさの画面更新には8MByte(画素数) \* 8Byte(色情報)で圧縮前で、64MByte程度となる。 \section{Update Rectangleの構成} RFBのUpdate Rectangleによって送られてくるPacketは以下の表\ref{tb:updateRectangle}の構成となっている。 \begin{table}[htp] \caption{UpdateRectangleによるPacketの構成} \begin{center} \begin{tabular}{|rrr|l|} \hline 1 byte & & & messageID \\ 1 byte & & & padding \\ 2 byte & & & n of rectangles \\ \hline & 2 byte & & U16 - x-position \\ & 2 byte & & U16 - y-position \\ & 2 byte & & U16 - width \\ & 2 byte & & U16 - height \\ & 4 byte & & S32 - encoding-type \\ & 4 byte & & U32 datalengths \\ \hline & & 1 byte & subencoding of tile \\ & & n byte & Run Length Encoded Tile \\ \hline \end{tabular} \end{center} \label{tb:updateRectangle} \end{table} 1つのUpdate Rectangleには複数のRectangleが入っており、さらに1つ1つのRectangleにはx,y座標や縦横幅、encoding type が含まれているRectangle Headerを持っている。ここではZRLEで圧縮されたRectangleが1つ、VNCサーバから送られてくる。RectangleにはZlib圧縮されたデータが、datelengthsと呼ばれる指定された長さだけ付いてくる。このデータは、さらに64x64のTileに分割されている(図\ref{fig:BlockingUpdateRectangle}中 Tile)。 \newpage Tile内はパレットなどがある場合があるが、通常はRun Length encodeされたRGBデータである。 これまでのTreeVNCではVNCサーバから受け取ったRectangleを分割せずにZRLEEへ再構成を行なっていた。これをMluticastのためにデータを64KByteに収まる最大3つのRectangleに再構成する(図\ref{fig:BlockingUpdateRectangle})。この時にTile内部は変更する必要はないが、Rectangleの構成は変わる。ZLREを展開しつつ、Packetを構成する必要がある。 \begin{figure}[htb] %PDF \begin{center} \includegraphics[scale=0.5]{fig/FrameUpdateRectangle.pdf} \figcaption{Rectangleの分割} \label{fig:BlockingUpdateRectangle} \end{center} \end{figure} 64KByteのPacketの中には複数のTileが存在するが、連続してRectangleを構成する必要がある。3つの Rectangleの構成を下記に示す。 \begin{itemize} \item 行の途中から始まり、行の最後までを構成するRectangle(図\ref{fig:BlockingUpdateRectangle}中 Phase0) \item 行の初めから最後までを構成するRectangle(図\ref{fig:BlockingUpdateRectangle}中 Phase1) \item 行の初めから、行の途中までを構成するRectangle(図\ref{fig:BlockingUpdateRectangle}中 Phase2) \end{itemize} \newpage \section{TileLoop} TileLoopはVNCサーバから受け取ったZRLEを図\ref{fig:BlockingUpdateRectangle}のようにRectangleを分割し、ZRLEEに再圧縮を行ったPacketを生成する。 以下の図\ref{fig:Packet}にTileLoopで生成されるPacket全体と、分割される各PhaseのRectangleを示した。 \begin{figure}[htb] %PDF \begin{center} \includegraphics[scale=0.45]{fig/Blocking.pdf} \figcaption{ZRLEEのPacketの構成と分割されたRectangle} \label{fig:Packet} \end{center} \end{figure} Packet Headerには表\ref{tb:updateRectangle}に示したmessageID、padding、n of rectanglesが格納されている。また、分割されたRectangleにはそれぞれ表\ref{tb:rectangleheader}に示したRectangle Headerを持っている。 \begin{table}[htp] \caption{Rectangle Headerの構成} \begin{center} \begin{tabular}{|rr|l|} \hline 2 byte & & U16 - x-position \\ 2 byte & & U16 - y-position \\ 2 byte & & U16 - width \\ 2 byte & & U16 - height \\ 4 byte & & S32 - encoding-type \\ 4 byte & & U32 datalengths \\ \hline & 1 byte & subencoding of tile \\ & n byte & Run Length Encoded Tile \\ \hline \end{tabular} \end{center} \label{tb:rectangleheader} \end{table} \newpage 次にTileLoopの処理について説明する。以下の図\ref{fig:TileLoopFlow}はTileRoopのフローチャートである。 \begin{figure}[hp] %PDF \begin{center} \includegraphics[scale=0.5]{fig/TileLoopFlow.pdf} \figcaption{TileLoopのフローチャート} \label{fig:TileLoopFlow} \end{center} \end{figure} 図\ref{fig:TileLoopFlow} 中1にて、TileLoopの初期化でBlockingと構築するPacketの準備を行う。Loop本体ではZRLEで受け取ったRecganleを1Tile 64x64に分割し、1Tileずつ処理を行う。そして受け取ったZRLEより処理を行うTileのデータを取得し、圧縮段階に入る。 TileLoopにはc1Rectと呼ばれるRectangleを持っている。これは読み込んだTile分だけ縦横を拡張していくことによってRectangleの再構成を行なっている。図\ref{fig:TileLoopFlow} 中2の圧縮段階では、読み込んだTileのデータを圧縮用のStreamに格納し、java.util.zip.deflaterを利用して圧縮を行っている。Packetのサイズは60KByteとしているが、一旦の制限として42KByteまでを格納可能としている。 java.util.zip.deflaterには下記の3種類の圧縮方法がある。 \begin{itemize} \item NO\_FLUSH : Streamに格納されたデータを最高率で圧縮を行う。Streamにある入力データが規定量に満たない場合は圧縮されない \item SYNC\_FLUSH : これまでにStreamに格納されたデータの圧縮を行う。ただし圧縮率が低下する可能性がある \item FULL\_FLUSH : SYNC\_FLUSH同様、これまでにStreamに格納されたデータの圧縮を行う。異なる点はこれまでの辞書情報がリセットされるため、圧縮率が極端に低くなる可能性がある \end{itemize} ZRLEとjava.util.zip.deflaterを使用した圧縮では、圧縮後のデータ長を予測することができない。Packetが満杯になってしまうと、圧縮書き込みの途中であっても圧縮書き込みが中断する。そのため、Packetのサイズを余分に確保する必要がある。したがって最初から最大の60KByteではなく、42KByteに制限を行っている。TileLoopではデータの圧縮にNO\_FLUSHを利用していたが、圧縮後のデータがPacketの上限である60KByteを超えてしまうことが多発した。 これは圧縮されるための入力データの規定量が想定以上に多く、圧縮後のデータ長がMulticast Packetの上限を越えてしまったためである。 そこで圧縮率は悪くなるが、確実にPacketに書き込まれるSYNC\_FLUSHを利用し、ZRLEEの生成を行う。 \newpage 図\ref{fig:TileLoopFlow} 中3ではPacketの上限まで行かなかった場合の分岐である。 Phaseが変わるとそれまでに構成されたc1RectをRectangle Headerに書き出している。 \newpage PacketにはMessage IDなどが入っているPacket Headerの他に、各RectangleのHeaderであるRectangle Headerが付いている。 また、Phaseが変わるごとにRectangle を構成し直す必要があるため、各Phaseの終了時には確実にflushをする必要がある。 Packetの上限は60KByte取っているがZlibの性質上、パケットの容量を予測して圧縮書き出しすることができず、圧縮時にPacketから溢れてしまう場合がある。そのため、初期上限を42KByteとしてPacketが一杯にになった際に上限を60KByteまで大きくする。 圧縮前の1Tileの大きさは最大で16KByteと考えられる。これを圧縮すると3 - 4 KByte程度であるので、その分のマージンを持っておくことで、読み込んだ最後のTileまできちんとPacketに書き込むことができる。 \section{Packet Lost} WiftのMulticast Packetは確実に送られることが保証されていない。データに通し番号をつけて、欠落を検出することはできるが、再送処理は複雑であることが予想される。そこで、一定時間ごとに全画面のデータを送信することによってPacket Lostしても画面共有に影響はないと考える。