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author soto@cr.ie.u-ryukyu.ac.jp
date Mon, 14 Sep 2020 02:58:14 +0900
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children acad18934981
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line source

\section{Agda}

Agda とは定理証明支援器であり、関数型言語である。Agda は依存型という型システ
ムを持ち、型を第一級オブジェクトとして扱うことが可能である。また、型システムは
Curry-Howard 同型対応により命題と型付きラムダ計算が一対一で対応するため Agda で
は記述したプログラムを証明することができる。

\subsection{プログラムの読み方}
以下は Agda プログラムの一例となる。
本節では以下のコードを説明することにより、Agda プログラムについて理解を深めることにより、
後述する Agda コードの理解を容易にすることを目的としている。
\lstinputlisting[label=plus, caption=plus] {src/agda/plus.agda}

\begin{itemize}
	\item 基本事項
		\begin{itemize}
			\item 
				ℕ というのは自然数 (Natulal Number) のことである。
				また、- (ハイフン) が2つ連続して並んでいる部分はコメントアウトであり、
				ここでは関数を実行した際の例を記述している。
				したがって、この関数は2つの自然数を受け取って足す関数であることが推測できる。
		\end{itemize}
    \item 定義部分
		\begin{itemize}
			\item 
				コードの1行目に : (セミコロン)がある。
				この : の前が関数名になり、その後ろがその関数の定義となる。\\
				: の後ろの (x y : ℕ ) は関数は x, y の自然数2つを受けとる。
				という意味になる。
				→ の後ろは関数が返す型を記述している。
				まとめると、この関数 plus は、型が自然数である2つの変数が x, y を受け取り、
				自然数を返すという定義になる。
		\end{itemize}
	\item 実装部分
		\begin{itemize}
			\item 
				関数の定義をしたコードの直下で実装を行うのが常である。
				関数名を記述した後に引数を記述して受け取り、= (イコール) の後ろで
				引数に対応し実装を作を記述していく。
				今回の場合では、 plus x zero であれば +0 である為、そのまま x を返す。
				2行目の方では受け取った y の値を減らし、x の値を増やして再び plus の関数に
				遷移している。
				受け取った y は+1されていたことにすることでyの値を減らしている。
				実装部分もまとめると、x と y の値を足す為に、y から x に数値を1つずつ渡す。
				y が 0 になった際に計算が終了となっている。
				指折りでの足し算を実装していると捉えても良い
		\end{itemize}
\end{itemize}

\subsection{Data 型}
Deta 型とは分岐のことである。
そのため、それぞれの動作について実装する必要がある。
例として既出で Data 型である ℕ の実装を見てみる。

\lstinputlisting[label=Nat, caption=Nat] {src/agda/Nat.agda}

実装から、ℕ という型は zero と suc の2つのコンストラクタを持っていることが分かる。
それぞれの仕様を見てみると、zeroは ℕ のみであるが、suc は (n : ℕ) → ℕ である。
つまり、suc 自体の型は ℕ であるが、そこから ℕ に遷移するということである。
そのため、suc からは suc か zero に遷移する必要があり、また zero に遷移することで停止する。
したがって、数値は zero に遷移するまでの suc が遷移した数によって決定される。

Data型にはそれぞれの動作について実装する必要があると述べたが、
言い換えればパターンマッチをする必要があると言える。
これは puls 関数で suc 同士の場合と、zeroが含まれる場合の両方を実装していることの説明となる。



\subsection{Record 型}
Record 型とはオブジェクトあるいは構造体ののようなものである。
以下の関数は AND となる。p1で前方部分が取得でき、p2で後方部分が取得できる。

\lstinputlisting[label=And, caption=And] {src/agda/And.agda}

また、Agda の関数定義では\_(アンダースコア)で囲むことで三項演算子を定義することができる。

これを使用して三段論法を定義することができる。
定義は「AならばB」かつ「BならばC」なら「AならばC」となる。
コードを以下に示す。

\lstinputlisting[label=syllogism, caption=syllogism] {src/agda/syllogism.agda}

コードの解説をすると、引数として x と a が関数に与えられている。
引数 x の中身は((A → B) ∧ (B → C))、引数 a の中身は A である。
したがって、(\_∧\_.p1 x a) で (A → B) に A を与えて B を取得し、
\_∧\_.p2 x で (B → C) であるため、これに B を与えると C が取得できる。
よって A を与えて C を取得することができたため、三段論法を定義できた。

%\subsection{Agdaの基本操作}

%\subsection{定理証明支援器としての Agda}

%\subsectoin{}