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view Paper/tex/tree_desc.tex @ 5:339fb67b4375
INIT rbt.agda
author | soto <soto@cr.ie.u-ryukyu.ac.jp> |
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date | Sun, 07 Nov 2021 00:51:16 +0900 |
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children | 7ba9fa08ffb4 |
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\section{Gears Agda における木構造の設計} 本研究では、Gears Agda にて Red Black Tree の検証を行うにあたり、 Agda が変数に対して再代入を許していないことが問題になってくる。 そのため下図のように、木構造の root から leaf に 辿る際に見ているnodeから 下の tree をそのまま stack に持つようにする。 そして insert や delete を行った後に stack から tree を取り出し、 元の木構造を再構築 していきながら rootへ戻る。 このようにして Gears Agda にて Red Black Tree を実装していく。 \section{Gears Agda における Binary Tree の実装} Red Black Tree を実装しそれを検証する前段階として、 実装が簡単な Binary Tree の実装から行う。 まず Binary Tree と 遷移させる Data Gear となる Env の定義は Code \ref{bt_env} のようになる。 \lstinputlisting[label=bt_env, caption=Binary Tree の Data Gear] {src/bt_impl/bt_env.agda.replaced} bt は、木での順序としての意味を持つ key とその中身 value はどのような型でも入れられるように 「A : Set n」となっている。 そして left, right には bt A を持つようにし、木構造を構築している。 Env では、 find, insert, delete の対象となる値を保存し、 Code Gear に与えられるようにするために varn, varv を持っている。 加えて変更を加える bt を持つ vart と、章Nで前述した木構造を持っておくための List である varl を Env に設定している。 7章で述べた Gears Agda での木構造を保ったまま root から目的のnodeまで辿る Code Gear が Code \ref{bt_find_impl} になる。 \lstinputlisting[label=bt_find_impl, caption=root から目的のnodeまで辿る Code Gear] {src/bt_impl/find.agda.replaced} まず、関数の実装が始まってすぐに Env の vartを指定したものと引数をそのまま find-c の関数に遷移している。 ここで展開しているのは Env の vart で、そのまま Env から展開した vart をパターンマッチすると Agda が追えなくなってしまい、\{-$\#$ TERMINATING $\#$-\} を使用することになってしまう。 そのため関数を新たに定義し、展開したものを受け取り、パターンマッチすることで \{-$\#$ TERMINATING $\#$-\} を使用せずに loopを定義できるようになる 木を stack に入れるのは単純で、操作の対象の key となる varn と node のkeyを比較を行う。 そこからは本来の木構造と同じで、操作の対象の key が小さいなら left の tree を次の node として遷移する。 大きいなら right の tree を次の node として遷移していく。 操作の対象となる node に辿り着き、操作を行った後、 Stack に持っている tree から再構築を行う。 そのコードが Code \ref{bt_replace_impl} となる \lstinputlisting[label=bt_replace_impl, caption=Stack から tree を再構築する Code Gear] {src/bt_impl/replace.agda.replaced} これも Code \ref{bt_find_impl} と同じように構成されており、 varn と node の key を比較し、 vart を List から持ってきた node の どこに加えるかを決めるようになっている。 以上の流れを繋げることで、 Binary Tree の insert と find を実装できた。 delete は insert の値を消すようにすると実装ができる。 \section{Gears Agda における Binary Tree の検証} 検証も前述した While Loop の 検証と同じようにしていく。 しかし、 Binary Tree の不変条件は2つ以上あるため、これを関数定義の際に全て書くと 煩雑になってしまうため、事前に記述して関数化しておく。 それが Code \ref{bt_invariant} になる。 \lstinputlisting[label=bt_invariant, caption=Binary Tree の 不変条件] {src/bt_verif/invariant.agda.replaced} この不変条件は、 treeInvariant が tree の 左にある node の key が小さく、 右にある node の方が大きいことを条件としている。 stackInvariant は Stack にある tree が、次に取り出す Tree の一部であることを 条件としている。 これを先ほど実装した Code Gear に対して加えることで検証していく。 先ほど実装した Code \ref{bt_find_impl} に対して加えると Code ref のようになる。 \lstinputlisting[label=bt_invariant, caption=Binary Tree の 不変条件] {src/bt_verif/find.agda.replaced} 現時点では条件を満たしていることの証明まで行っていないが コード中の {!!} に記述を行い、前述した While Loop と同じように中身を記述することで検証を行える。